日本原燃再処理工場から海洋へ投棄されたトリチウム07年10月分の

問題点

　1 原発濃度限度規制値の2800倍で放出（10/2）しました。

　2 10月だけで昨年度トリチウム海洋放出全量を上回る投棄量でした

○　11月29日、原燃は１０月分の海洋投棄に

ついて詳細を出しました。

http://www.jnfl.co.jp/monitoring/discharge/content-cycle-date.html

○　これだけではわかりませんので４月からの放出一覧表に記入し、グラフ化

してみました。ホームページに載せました。

http://homepage3.nifty.com/gatayann/OD%2007.4-10.pdf

○　問題点

　9/28から10/19にかけて大量のトリチウムを海洋へ投棄した

ことがわかりました。

昨年度の最高濃度は10/18の1400倍（原発濃度限度の）でした

が、何とこの10/２には2821倍でした。これはフル操業で予測

されている2700倍を超える濃度です。

　原発濃度限度（60000ベクレル/リットル）の2800倍ですから

１億6800万ベクレル/リットルであり、自然界のトリチウム濃

度が約１ベクレル/リットルですから、１億6800万倍のβ線を

放出する廃液の塊を下北沖に投棄したことになります。

量は585ｍ3です、１時間に100ｍ3の放出ですから約６時間かけ

て投棄したのでしょう。１日で99兆ベクレル、これは178万ミリ

シーベルト（一般人178万人の年摂取限度）、254名の経口急性

致死量に相当します。

　この10月だけでトリチウムの海洋投棄は523兆ベクレル、昨

年度１年で490兆ベクレルの投棄でありこの一ヶ月でそれをはる

かにオーバーしているのです。これは941万ミリシーベルト

（一般人941万人の年摂取限度）で1344人の経口急性致死量にな

ります。

10月の平均トリチウム放出濃度は9.03×10の7乗ベクレル/リットル

で、これは原発濃度限度の1500倍になります。

原発でこのような高濃度の廃液を流したなら、社会的大問題に

なるはずです。

＊仮に原発濃度限度の1500倍で放出され続けるとすると、自然界の

水のトリチウム濃度の9000万倍に相当します。

これが仮に海水で1000倍に薄められたとしても、まだ自然界の9万

倍の濃度です。当然そこに生息する生物も同程度のトリチウム濃度

（トリチウムの濃縮係数は１とされています。自然界の9万倍のトリ

チウムβ線を放出する）になります。

1万倍に薄まっても自然界の9000倍です。そのような放射能の環境下

生態系はどうなっていくのでしょうか、不安が増大するばかりです。

＊生命は発生から三十数億年の歴史上水中トリチウムは１ベクレ

ル/リットルのもと進化・適応してきたのです。その大切な水のトリ

チウム濃度が数百、数千、数万倍に増えたとき果たして対応できるの

でしょうか。

＊生命存続に関わる重大な行為が行われつつあります。疑わしき

再処理はやらない、または放射能を除去する予防原則に徹するべきです。