食の安全確保のため、膨大な放射能を放出する「六ヶ所再処理工場」稼動中止と閉鎖を求める意見書提出に関する陳情　　

陳情趣旨 

現在、食料自給率は凡そ40％の状況にあります。また、アメリカ産牛肉、中国産餃子等々から食の安全が強く求められています。この中にあって、青森県「六ヶ所再処理工場」による農畜産・海産物の放射能汚染の危険が大きく叫ばれています。（資料１）青森県・六ヶ所再処理工場を本格稼働すれば「原発1年分の放射能を1日 で放出」することになります。これは、使用済み核燃料を加工する際に発生する放射能を、閉じ込めなければならないものを、外へ出す仕組みにしているためで す。放射能を含んだ排気は煙突から大気に、廃液は海へ放出しています。垂れ流しです。放出の理由は①　無害化或いは閉じ込めを民間事業者へ指導することが 困難、経済的に不可能である。（08.1.16岩手県議会原子力安全・保安員参考人答弁）、②　放出した放射能は希釈されるから問題がない、ということです。
 これは大変な事で、放出した放射能は無害化されず、薄まると云ってもゼロではなく、まして、海に流された放射能はプランクトンから始まる食物連鎖の中で 蓄積され、魚介類に濃縮されます。空へ放出した放射能も消えて無くならず、当然、地上に降り、土壌汚染を起します。そして、この地域で汚染された農産物・ 海産物は食料として流通し私たちの食卓に並ぶことになります。
   現在はアクティブ試験（資料２）中で、既に、これによる汚染が始まっており（資料３）、本格稼働になれば、日本全国の原発から使用済み核燃料が集まり「原発1年分の放射能が1日で放出する」という事態になります。
  イ ギリスの「セラフィールド再処理工場」、フランスの「ラ・アーグ再処理工場」の周辺地域は深刻な放射能汚染にさらされており、白血病の多発が報告されてい ます。また、私たちはアフガニスタン、イラクに投下された劣化ウラン弾による被爆の映像を見ています。劣化ウラン弾は原発で使われるウランの採掘時にでる 大量の不要・ウラン鉱石から作られもので、弱い放射能を含んだ爆弾が破裂し、放射能の微小なチリとなって拡散し、人の口に入り、内部被爆となって人を破壊します。この破壊は深刻で、遺伝子をも損傷し子孫に重大な影響を与えます。放射能汚染の食品を食べれば内部被爆となります。これは過去にあったメチル水銀工場排水による水俣病と同じ構図です。 六ヶ所再処理工場はこれから更に膨大な放射能を放出し続け、周辺地域農畜産物、そして青森県を通る親潮を汚染し三陸沿岸、宮城、福島・茨城沿岸の海産物をも汚染していく事になるでしょう。放射能に汚染された食物は、食べれば内部被爆であり、食べる事はできません。そのようなことになれば、先祖から幾万年も引き継いできた日本の食はここで断絶します。更に、このために食糧危機を倍増させる事になります。　これらは極めて重大な事態であります。 

陳情項目 　

　東久留米市民の食の安全を確保するため、膨大な放射能を放出する青森県「六ヶ所再処理工場」の稼働を一刻も早く止め、閉鎖する事を求める意見書を、内閣総理大臣及び経済産業大臣に提出してください。

（資料１；放射能海洋放出規制法（仮称）の法律制定を求める請願、岩手県の２/３の「26市町村」議会が採択。資料２；使用済み核燃料を使用した総合試験。資料３；放出回数、06年度・60回、07年度・46回） 

平成２０年５月２８日 

東久留米市議会議長　篠宮正明　殿 

　　　　　　　　　　　　　　　　　陳情者　東久留米市南沢　　　　　　　　　　川井　満 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東久留米市前沢　　　　　　　　　　嶋津光延