平成21年3月10日

日本原燃株式会社　社長兒島伊佐美殿

　　　　　　　　　　　　　提出団体　

　　花とハーブの里（青森県六ヶ所村）

　　　　　　　　　　　　　Peace Land(青森県八戸市)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　三陸の海を放射能から守る岩手の会（岩手県盛岡市）

　　　　　　　　　　　　　三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会（宮城県仙台市）

　　　　　　　　　　　　　他６賛同団体

再処理工場排水モニタ異常ピーク出現に関する質問状

　日頃、私たち市民団体は貴社再処理工場から環境へ放出される放射能について心を痛めつつ見守っております。昨年以来ガラス固化溶融炉内における白金族の堆積問題に端を発する連鎖的な事故により、ついに高レベル廃液のガラス固化セル内漏えいという重大事故にまで発展してきました。一連の事故とその対応を見るに貴社の安全策と技術について不安と不信の念を禁じ得ません。このような中、２月２０日と３月２日貴社「Ｒ-[再処理工場]第一放出前貯槽排水モニタ指示値の変化」（以下「Ｒモニタ」とします）グラフにおいて異常な波形が観察されました（別添資料１）。観察後すぐに貴社に問い合わせたところ「工事中のノイズを拾ったため」との説明があり、疑問点が多く納得いくものではありませんでした。つきましては、下記の質問にお答え頂きたくお願い致します。　

貴社行動憲章第６「私たちは、社会の声を謙虚に受け止めるとともに、社会の人々に対して、オープンに、わかりやすく、正確かつ迅速に情報を発信します。」に基づき、真摯なるお答えをお願い致します。

　なお回答は文書で4月10日（金）までにお願い致します。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

質問事項

A【モニタ公開の意味に関して】

１） 貴社が放射線・放射能のモニタリングデータをホームページなどで公表している意図をお知らせ下さい。　　

２） モニタが不完全な場合、代替えモニタを検討しないのですか。誤解を与えるデータをそのまま公表し続けていいのでしょうか。放射能の環境放出に係わることであり、間違いデータをそのままにして、ホームページのテロップで説明しているから問題なしとはできないと思いますが。見解をお知らせ下さい。

B【「Ｒモニタ」の技術的なことに関して】

１） このモニタの放射線測定形式とメーカー・型式、測定原理、測定項目（放射線、核種など）そして、2月20日と3月2日時点での測定器の時定数をお知らせ下さい。

２） モニタがノイズを拾うことに関してそのメカニズムについてお知らせ下さい。

３） モニタの設置場所や電源の安定性に問題があるのではないか、これほど簡単にノイズを拾うことは今後モニタの役割を果たすことができないのではないか。その対策をお知らせ下さい。

４） なぜノイズによりモニタ値は上昇するばかりなのですか、減少しないのはなぜでしょうか。

５） このモニタではヨウ素131やヨウ素129のガンマ線は測定範囲にあるのですか。放射性ヨウ素の測定は排水系統のどこでどのような方法で実施しているのですか。

C【過去の「Ｒモニタ」の値に関して】

１） アクティブ試験開始以来、今までのＲモニタの平均値、標準偏差値などをお知らせ下さい。加えてＲモニタの管理目標値が設定されているのならば数値をお知らせ下さい。

D【当日の工事に関して】

１）ピークが現れた2/20と3/2の工事内容と影響を及ぼした作業内容についてお知らせ

　　ください。

E【液体廃棄物工程　排水部門の作業について】

　１）2/20と3/2のピーク出現時における第一放出前貯槽における排水作業内容について

　　　お知らせ下さい。排水の海洋放出は行われていたのでしょうか。

２） 第一放出前貯槽や第二放出前貯槽、その他工場からの排水と海洋放出排水の排水管の経路について各工程・工場を合わせ詳細をお知らせ下さい。

F【その他】

1） モニタの数値はcpm単位です。これに寄与する主要核種のBq/リットルとの換算について目安などありましたならお知らせ下さい。

　　2）海洋放出日時をＲモニタグラフ上に明示すべきではないでしょうか、これにより私たちは異常な排水

　　　が放出されているか否かについて判断でき安心できます。また　漁業者やサーファーにとっても必要

　　　な情報です。ご見解をお知らせ下さい。

　　3）1983年11月に英セラフィールド再処理工場で排水管の操作ミスにより高レベル

　　　廃液の配管内残渣が海洋に放出され海岸一帯が40ｋｍに渡り9ヶ月間閉鎖され、以来

　　　海藻の採取などできなくなったと聞いております。今貴社高レベルガラス固化建屋

　　　内でおきた高レベル廃液セル内漏えいにより、セル内洗浄が行われていると聞いて

　　　います。この洗浄排水が海洋に誤って放出されることのないよう、どのような対策

　　　を講じておられますかお知らせ下さい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（以上）

連絡先　○　花とハーブの里　　電話・FAX 0175-74-2522　

　　　　　〒039-3215　上北郡六ヶ所村倉内笹崎1521　菊川慶子　　　　　

　　　　　　　 ○　三陸の海を放射能から守る岩手の会　　電話・FAX 019-661-1002　

　　　　　 〒020-0004　盛岡市山岸6-36-8　永田文夫　　　　　

賛同団体

　子どもと海と空の会（岩手県花巻市）

　無限洞（岩手県盛岡市）

　 水俣病に学び放射能から海空大地を守る会(宮城県仙台市)

　ＮＰＯ地球とともに（宮城県石巻市）

　下北半島と神奈川を結ぶプロジェクト（神奈川県）

　サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン（東京都港区）