平成2141

六ヶ所再処理総点検に関する検討会

委員           様

                         三陸の海を放射能から守る岩手の会

 

六ヶ所再処理工場に貯蔵されている高レベル放射性廃液は

大地震でも絶対に環境に漏えいしないことを検討会でご確認お願いします。

 日頃、原子力の安全・保安のためご尽力に敬意を表します。42日実施六ヶ所再処理総点検に関する検討会に際しお願い申し上げます。

  今年121日日本原燃(株)は六ヶ所再処理工場の高レベル廃液ガラス固化建屋内固化セルにおいて約150リットルの高レベル廃液を漏えいする事故があったと公表しました。極めて危険な廃液が2系統のフランジから同時に漏れ、回収はわずか16リットルとのことです。日本原燃が公表したデータを基に計算しますとセシウム137について、未回収分は広島原爆放出放射能の約2.5倍になります。一体この未回収放射能はどこに行ってしまったのでしょうか、環境にも幾らかは漏れ出したのではないのでしょうか。

 私たち市民団体は昨年1218日「高レベル廃液の厳重管理・放射能の環境放出を止めて下さい」とする要望書を原子力安全・保安院長と資源エネルギー庁長官に提出し要望しました。そして現在工場内に溜まっている高レベル廃液約2403の安全管理について特に念を入れ申し入れたところです。

この廃液2403にはチェルノブイリ事故で放出された放射能の約9倍の放射能(セシウム137換算)が含まれています。あまりに危険なためガラス固化しなければならない廃液が不安定な状態で存在しているのです。

高レベル廃液は絶えず冷やし、発生する水素を掃気しなければ十数時間で沸騰爆発が起こると言われています。この世界有数の地震国で、しかも工場直下に活断層が走り最大でM8クラスの地震が起こる可能性が指摘されています。事業所は直下地震についてはM6.5までの耐震評価しかしていません。わたしたちは愛するこの地で安心して暮らしていきたい、そのささやかな願いが今非常に脅かされており危機感を持って見守っています。直下M7クラス地震に襲われたとき、再処理工場は十数時間で立ち直るのでしょうか、高レベル廃液はどうなるのでしょうか。このことを考えると暗澹たる気持ちになってしまいます。

 青森、岩手、北海道をはじめとする多くの市民が、地震事故により放射能が放出されることに非常な不安を抱いています。想像を絶するような高濃度の放射能を扱う化学工場として、人々の安全安心な生活を保障し、不安を解消するよう努めるのは事業者とともに国の責務でもあります。しかし頻発する事故や、耐震策の不備に対し不信が募るばかりです。

 貴委員におかれましては、私たちの不安を親身に受け止めていただき、検討会に臨んで頂きたくお願いします。この地でチェルノブイリ事故が再現されることが絶対にないように高レベル廃液の安全管理のご確認をお願いします。私たちはこの地で生き続ける権利があります、大きな事故が決して起きないよう万全の予防策をお願いします。私たちを難民にすることが絶対ないように慎重審議をお願いします。失礼いたします。

                    連絡先 

              ○〒020-0004岩手県盛岡市山岸6-36-8 

               三陸の海を放射能から守る岩手の会

                                         永田文夫  電話・fax 019-661-1002