平成22年7月26日
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会
核燃料サイクル安全小委員会再処理ワーキンググループ
委員 様
三陸の海を放射能から守る岩手の会
六ヶ所再処理ＷＧ委員会審議に関する要望書
高レベル廃液ガラス固化トラブルに係わる検証を行い
真実を明らかにし、慎重審議をお願いします
謹啓
日頃、我が国の核燃政策についてのご検討に敬意を表します。さて7月15日（木）日本原燃（株）は報告書「再処理施設高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉運転方法の改善検討結果について」を原子力安全・保安院に提出しました。これを見ると、A系列ガラス溶融炉における一連の事故の要因についてさしたる検証もせずにB系列ガラス溶融炉の試験を再開しようとしているようです。
アクティブ試験開始以来、操業にともなう放出放射能により六ヶ所村周辺の汚染が進行していますが、原燃によるきちんとした説明は聞かれません。また、高レベル廃液のガラス固化建屋セル内漏えいについても正確な物質収支の報告もされないまま運転再開の準備が進められており、この段階でのB系列ガラス溶融炉の試験再開は疑問です。
つきましては、審議に当たり以下の事項につきまして、慎重に審査確認し、これ以上環境を放射能で汚染することがないようご配慮お願い申し上げます。高レベル廃液とガラス固化体についてはその想像を絶する危険性に、わたしたち周辺住民は非常に不安な思いでおります。
貴委員におかれましては我が国の未来を見据え、全ての国民が今後とも安心して生活できるよう真剣にかつ“親身”にお考えいただき慎重審議をお願いいたします。
慎重に審議していただきたい事項
１） 【これ以上汚染を広げないこと】昨秋、六ヶ所村尾駮の井戸水からストロンチウム90が全国最高の濃度で検出されました。また工場直下の尾駮沼の生物中ヨウ素129が試験前と比べ数倍から数十倍に増加しています。いずれの核種とも特定臓器に濃縮し内部被ばくするものであり、特に新生児・子どもへの影響が懸念されます。試験操業時には海洋や大気中でトリチウム、クリプトン85の放射能濃度が上昇しています。これらの核種について放射能除去などの防止策がなされないことは環境基本法の理念からも許されることではありません。
２） 【溶融炉等事故の検証を行うこと】A系列ガラス溶融炉における一連の事故についてきちんと検証もせず、B系列ガラス溶融炉の試験を再開することはありえないことです。しかも、ガラス固化建屋セル内高レベル廃液漏えい事故についても、核種の所在や正確な物質収支が検討されていません。重要な事故の原因究明や対策をあいまいなままにして、スケジュールを優先して試験を進めることは、汚染の深刻化を招くことになると考えます。上述の尾駮の井戸水中のストロンチウム90はセル内漏えいと無関係なのでしょうか。
３） 【高レベル廃液貯蔵の耐震安全対策をおこなうこと】現在約240ｍ3もの高レベル廃液が小分けされタンクに貯蔵されています。ご存知のように、これは冷却が止まると十数時間で沸騰し、場合によっては発生する水素により爆発もあり得るこの世の中で最も危険な液体です。
Ｍ8以上の地震があっても、この貯蔵施設の冷却は絶対に確保されるように確認をお願いし
ます。1968年5月の十勝沖地震（M7.9）の際、下北は大きな被害を蒙っていますが、設計用最強
地震から除外しています。私たちや未来世代の生命がかかっています。絶対の安全を担保してい
ただきたいと存じます。
以上
（発信団体）三陸の海を放射能から守る岩手の会 世話人 永田文夫
020-0004 岩手県盛岡市山岸6-36-8（電話・fax 019-661-1002）
平成22年7月26日
経済産業省 原子力安全・保安院
核燃料サイクル規制課長 真先 正人 様
三陸の海を放射能から守る岩手の会
六ヶ所再処理ＷＧ委員会審議に関する要望書
高レベル廃液ガラス固化トラブルに係わる検証を行い
真実を明らかにし、慎重審議をお願いします
謹啓
日頃、我が国の核燃政策についてのご検討に敬意を表します。さて7月15日（木）日本原燃（株）は報告書「再処理施設高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉運転方法の改善検討結果について」を原子力安全・保安院に提出しました。これを見ると、A系列ガラス溶融炉における一連の事故の要因についてさしたる検証もせずにB系列ガラス溶融炉の試験を再開しようとしているようです。
アクティブ試験開始以来、操業にともなう放出放射能により六ヶ所村周辺の汚染が進行していますが、原燃によるきちんとした説明は聞かれません。また、高レベル廃液のガラス固化建屋セル内漏えいについても正確な物質収支の報告もされないまま運転再開の準備が進められており、この段階でのB系列ガラス溶融炉の試験再開は疑問です。
つきましては、審議に当たり以下の事項につきまして、慎重に審査確認し、これ以上環境を放射能で汚染することがないようご配慮お願い申し上げます。高レベル廃液とガラス固化体についてはその想像を絶する危険性に、わたしたち周辺住民は非常に不安な思いでおります。
貴院におかれましては我が国の未来を見据え、全ての国民が今後とも安心して生活できるよう真剣にかつ“親身”にお考えいただき慎重審議をお願いいたします。
慎重に審議していただきたい事項
４） 【これ以上汚染を広げないこと】昨秋、六ヶ所村尾駮の井戸水からストロンチウム90が全国最高の濃度で検出されました。また工場直下の尾駮沼の生物中ヨウ素129が試験前と比べ数倍から数十倍に増加しています。いずれの核種とも特定臓器に濃縮し内部被ばくするものであり、特に新生児・子どもへの影響が懸念されます。試験操業時には海洋や大気中でトリチウム、クリプトン85の放射能濃度が上昇しています。これらの核種について放射能除去などの防止策がなされないことは環境基本法の理念からも許されることではありません。
５） 【溶融炉等事故の検証を行うこと】A系列ガラス溶融炉における一連の事故についてきちんと検証もせず、B系列ガラス溶融炉の試験を再開することはありえないことです。しかも、ガラス固化建屋セル内高レベル廃液漏えい事故についても、核種の所在や正確な物質収支が検討されていません。重要な事故の原因究明や対策をあいまいなままにして、スケジュールを優先して試験を進めることは、汚染の深刻化を招くことになると考えます。上述の尾駮の井戸水中のストロンチウム90はセル内漏えいと無関係なのでしょうか。
６） 【高レベル廃液貯蔵の耐震安全対策をおこなうこと】現在約240ｍ3もの高レベル廃液が小分けされタンクに貯蔵されています。ご存知のように、これは冷却が止まると十数時間で沸騰し、場合によっては発生する水素により爆発もあり得るこの世の中で最も危険な液体です。
Ｍ8以上の地震があっても、この貯蔵施設の冷却は絶対に確保されるように確認をお願いし
ます。1968年5月の十勝沖地震（M7.9）の際、下北は大きな被害を蒙っていますが、設計用最強
地震から除外しています。私たちや未来世代の生命がかかっています。絶対の安全を担保してい
ただきたいと存じます。
以上
（発信団体）三陸の海を放射能から守る岩手の会 世話人 永田文夫
020-0004 岩手県盛岡市山岸6-36-8（電話・fax 019-661-1002）