平成22年10月29日

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会

核燃料サイクル安全小委員会再処理ワーキンググループ

委員　　　　　　　　　　　様

三陸の海を放射能から守る岩手の会

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

六ヶ所再処理ＷＧ委員会審議に関する要望書

高レベル廃液ガラス固化A炉トラブルの検証を厳密に行い

真実を明らかにし、本法によるガラス固化の技術的見通しを明確に示すこと。

謹啓

　日頃、六ヶ所再処理工場の諸問題につき慎重審議をいただき敬意を表します。

　さて8月23日日本原燃（株）は改正報告書「再処理施設高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉運転方法の改善検討結果の報告に関する改正について」を原子力安全・保安院に提出しました。これを見ると、A系列ガラス溶融炉における一連の事故の要因についてさしたる検証もせずにB系列ガラス溶融炉の試験を再開しようとしています。

　この件に関して私達の会から改正前報告書について7月26日に要望書「高レベル廃液ガラス固化トラブルに係わる検証を行い真実を明らかにし、慎重審議をお願いします」を提出しておりました。この件で現在も継続審議中とのことであり、再度要望いたします。

　今回のA炉の失敗原因は、そのモデルとなった東海１号炉の欠陥をしっかりと検証しないまま東海炉をスケールアップし、六ヶ所工場に設置したことによるからではないでしょうか。そして今回も六ヶ所A炉の欠陥を十分に検証しないまま見切り発車でB炉を先行し試験開始する方向です。これでは東海１号炉、六ヶ所A炉と同じ過ちを繰り返すばかりであり、私達が納めた貴重な電気料金や税金の無駄遣いがふえるばかりです。今がガラス溶融炉を科学的にしっかりと検証する重要な節目ではないでしょうか、思い切った見直しも必要ではないかと存じます。

　貴委員におかれましては我が国の未来を見据え、大所高所に立ち、国民への責任を自覚いただき、率直かつ真剣な審議をお願いいたします。

　

　要望事項

１） A溶融炉トラブルの検証を厳密かつ徹底的に行うこと

２）１）を踏まえ、このガラス固化方式（ＬＦＣＭ法）により周辺環境を汚染することなく、安定的

　　かつ品質一定なガラス固化が可能かどうか技術的見通しを示すこと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上

　　　　　　　　

　　　　　 （連絡先）三陸の海を放射能から守る岩手の会　世話人　永田文夫

　　　　　　　　　　　　　020-0004　岩手県盛岡市山岸6-36-8（電話・fax 019-661-1002）